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24.當歸・芍薬・川芎・地黄の薬味の相違

當歸・芍薬・川芎・地黄の薬味の入った処方の相違を比較してみました。
四物湯の処方に阿膠・甘草・艾葉を加えた処方が、芎帰膠艾湯であります。
当帰芍薬散は水を利する薬が多いですが、芎帰膠艾湯は血の薬が多いです。


四物湯・芎帰膠艾湯・当帰芍薬散の薬味の相違を表にして見ました。

○當歸・芍薬・川芎・地黄の薬味の入った処方の相違
(新古方薬嚢の薬味の分量)

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金匱要略より条文を引用してみますと

金匱要略「婦人妊娠病脈證併治第二十」の第4条より
●師曰く、婦人に漏下の者あり、半産の後、因って続いて下血、すべて絶えざる者あり、妊娠下血の者あり、假令し、妊娠して腹中痛むは、胞阻となす、膠艾湯之を主どる。

金匱要略「婦人妊娠病脈證併治第二十」の第5条より
●婦人懐妊、腹中疞痛するは、当帰芍薬散之を主どる。

金匱要略「婦人雑病脈證併治第二十二」の第17条より
●婦人腹中諸疾痛するは、当帰芍薬散之を主どる。

當帰
の氣味と効用について
神農本草経に曰く 當帰味甘温、欬逆上氣、温瘧寒熱洗洗皮膚中に在り婦人漏下子を絶つを主どる諸悪瘡瘍金瘡の者之を飲ますと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 當帰味甘温、中を緩め外の寒を退け氣血の行りをよくすることを主どる、故に手足を温め、腹痛を治し、内を調へ血を和し胎を安んず、之れ當帰の好んで婦人血の道の諸病、諸の冷え込み等に用ひらるる所以なるべし。
芍薬の氣味と効用について
神農本草経に曰く 味苦平、邪気腹痛を主どり血痺を除き堅積を破り寒熱疝瘕を主どり痛を止め小便を利し氣を益すと。
薬徴に曰く 結實して拘攣するを主治し旁ら腹痛、頭痛、身体不仁、疼痛、腹満、咳逆、下痢、腫膿を治すと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 結實とは凝りの事なり、拘攣とは引かれ引きつらるるを謂うなり、芍薬はよくたるみを引きしめ痛みを除くの効あり、結實も拘攣も弛みより来るものと見るべし。
芎藭の氣味と効用について
神農本草経に曰く 芎藭味辛温、中風脳に入り頭痛するのや、寒痺にて筋の攣り緩急あるのや、金瘡や、婦人血閉して子の無きのやなどを主どると。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 川芎味辛温、氣のめぐりを良くしのぼせを下げ頭を軽くし腹痛を治し月経不順を調へ又は下血を止どめ或は胎児を安んず、芎藭は當歸と合用せられ諸種の婦人病、昔時の所謂血の道に応用せらる此れ等は皆氣の滞りを散じ血行を順にさせる為と思われます。
地黄の氣味と効用について
神農本草経に曰く 乾地黄味甘寒、折趺絶筋傷中、血痺を逐ひ骨髓を填たし肌肉を長ずることを主どる、湯と作せば寒熱積聚を除き痹を除く、生者尤も良し、久服すれば身を軽くし老せずと。
薬徴に曰く 地黄は血證及び水病を主治する也と。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 地黄味甘寒、血の熱を涼し出血を止どめよく肌肉を潤し養う。故に腎気丸、三物黄芩湯、黄土湯、膠艾湯、炙甘草湯等に用いらる。これ等は皆つまる所は血を治する所にあるが故とみるべし。
阿膠の氣味と効用について
神農本草経に曰く 阿膠味甘平、心腹内崩勞極灑灑として瘧状の如く腰腹痛四肢酸疼女子下血を主どり跆を安んず久しく服すれば身を軽くし氣を益すと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 阿膠は味甘平、肌肉の傷れを治し急を緩るむることを主どると。故に出血を止どめ煩を去る。
甘草の氣味と効用について
神農本草経に曰く 甘草味甘平、五臓六腑寒熱邪気を主どり筋骨を堅め肌肉を長じ気力を倍にし金瘡の腫れや毒を解す久服すれば身を軽くし年を延ぶと。 
薬徴に曰く 甘草主治急迫なり故に裏急急痛を治し旁ら厥冷煩躁衝逆等の諸般急迫の毒を治すると。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 甘草は味甘平、緩和を主として逆をめぐらす効あり、逆とは正に反する事なり、めぐるとは元に戻る事なり、故によく厥を復し熱を消し痛を和らげ煩を治す。
艾葉の氣味と効用について
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 艾葉は味苦微温、身體を温めよく出血を止どむ。芎帰膠艾湯、柏葉湯等に配伍せらる。
茯苓の氣味と効用について
神農本草経に曰く 味甘平、胸脇逆氣憂恚驚邪恐悸心下結痛、寒熱煩満欬逆口焦舌乾を主どり小便を利し久服すれば魂を安んず神を養ひ飢えず年を延ぶと。
薬徴に曰く 茯苓の主治は悸及び肉じゅん筋惕なり旁ら小便不利、頭眩、煩燥を治すと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 水を収め乾きを潤しその不和を調ふ故に動悸を鎮め衝逆を緩下し水を利して眩悸等を治す。
白朮の氣味と効用について
神農本草経に曰く 味苦温、風寒湿痺死肌痙疽を主どり汗を止め熱を除き食を消す。煎と作して餌すれば久しく服して身を軽くし年を延べ飢えずと。
薬徴に曰く 利水を主どるなり、故によく小便自利不利を治し旁ら身煩疼痰飲、失精、眩冒、下痢、喜唾を治すと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 水をさばきその滞りを除きよく小便を調ふ。故に小便不利、小便自利を治す。不利は出工合悪きを謂ふ。叉小便少なきをも言ふ。自利はよく出る者を言ふ。則ち出過ぎる者の事。小便の出が悪い筈なのに反って出の好い者の事も自利と謂ふ。小便が少なくて下痢する者、小便の出が好くて便秘する者、筋や骨の痛む者、めまひのする者、頭の重い者、胃がふくれて食進まず或いは吐く者、朮のゆくべき場合には必ず小便の出工合を確むべし。
澤瀉の氣味と効用について
神農本草経に曰く 澤瀉味甘寒、風寒濕痹乳難を主どり水を消し五臓を養ひ氣力を益し肥健せしむるを主どる久服すれば耳目聡明饑えず年を延べ身を軽くし面に光りを生じ能く水上を行かしむと。
薬徴に曰く 澤瀉主治小便不利冒眩なり旁ら渇を治すと。
新古方薬嚢(荒木朴庵)ボク曰く 熱を去り燥きを潤すことをなす、故に刺戟を緩和することを主どる、その主目標は、渇ありて水を欲するもの、冒眩あるもの、小便不利あるもの等なり。
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by shizennori | 2008-03-26 19:33 | 24.當歸,芍薬,芎藭,地黄